氏を変更するための条件

「氏」の変更については戸籍法107条に規定があり、「やむを得ない事由」があれば、家庭裁判所の許可を得て変更できることになっております。
【条文】
※戸籍法107条(氏の変更) 
やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
(2項以下省略)


では、「やむを得ない事情」とは何かというと、やむを得ない事情とは,氏の変更をしないとその人の社会生活において著しい支障を来す場合をいうと解釈されています。
名の変更(戸籍法107条の2)は、「正当の事由」というものが認められれば、名前を変更できるとしていますが、氏の場合には、正当な事由だけでは足りないということになります。 

やむを得ない事由に関する裁判例

・大阪高等裁判所判決昭和30年10月15日

→人の氏はその人の血族姻族関係のつながりを示すを常とし、またその名と相まつてその人と他とを識別するものとして我が国民の社会生活上極めて重要なもので、新憲法並びに民法の改正によつて家の制度が廃止され、氏が家を示す名称でなくなつたけれども、唯その本人のためのみのものではなく、同時に社会のためのものである。それ故氏がみだりに変更されるときは社会一般人にも多大の影響を及ぼすものであるから軽々にその変更を許すべきでないことは当然である。しかしそうだからと言つて当人に社会生活上氏を変更することが真に止むを得ない事情があり、且つ社会的客観的に見ても納得のいく事情が認められる場合には、氏の変更を許すべきものとしなければならない。戸籍法第107条の法意もここにあるのであつて、同条に「やむを得ない事由」と言うのは、当人にとつて社会生活上氏を変更しなければならない真に止むを得ない事情があると共にその事情が社会的客観的にみても是認せられるものでなければならない場合を言うものと解すべきである。


なぜ氏の変更がきわめて限定的な場合に限られるのかの理由として

・札幌高等裁判所決定昭和41年10月18日

→氏は旧法下におけるような『家名としての氏』ではないけれども、氏の表象するものは単なる個人ではなくして何らかの親族関係であり、氏の変更は原則として身分関係の変動に伴ってのみ生ずるものである。すなわち身分行為が伴わない場合にたやすく改氏ができるとすれば、戸籍の秩序または一般の権利義務に関する法的秩序に混乱が生ずるから・・・呼称秩序の不変性確保に重きを置いている。
氏の変更を許容すべき「やむを得ない事由」とは、通姓に対する愛着や内縁関係の暴露を嫌うというような主観的事情を意味するのではなく、呼称秩序の不変性確保という国家的・社会的利益を犠牲にするに値する程の高度の客観的必要性を意味すると解すべきである。

氏の変更許可手続きの当事務所の費用と報酬

・報酬
  • (1) 氏の変更許可審判申立書作成.....162,000円(税込)
  • (2) 日当.....10,800円(税込)~
  • (3) 戸籍等の取得..... 1通につき 1,080円(税込)
・費用
  収入印紙、切手代、交通費(裁判所同行)等の実費が必要となります。

日本国外(海外)に住んでいる場合の氏の変更

1 従前日本に住んでいて、国外に住まいを移された方については、日本に住まわれていた最後の住所地を管轄する裁判所に申立てます。 
例えば、東京都立川市に住んでいた方が、結婚等を機会にアメリカに転居され、現在アメリカにお住まいの場合には、東京家庭裁判所立川支部が管轄裁判所になります。 

2 日本に一度も住まわれたことがない方(日本に一度も住所を設けたことが無い)については,東京家庭裁判所が管轄裁判所となります。その他、日本における最後の住所地がない場合やその住所が不明である場合も東京家庭裁判所が管轄となります。



当事務所は月間20件以上の改名改姓手続きの相談を受けており、家庭裁判所への申立書の作成から戸籍が変更されるまでの手続き全般をサポートしております。
特に生まれたばかりのお子様の改名、離婚・養子縁組に伴う旧姓への改姓は月間10件以上の相談を受けており、当事務所の実績のある分野です。


当事務所が依頼者様へ約束する3つの安心

1 報酬及び費用は契約の際にどのくらいかかるかの概算をご説明いたしますので、その説明を聞いた上で、依頼するか決めて頂けますので安心です。  

2 改名・改姓の許可実績は他のどの事務所にも負けない自信がございます。その経験に基づいて、裁判所に提出する書類・資料をそろえますので安心です。

3 ご依頼者様への連絡、書類作成、裁判所への同行は、事務員ではなくすべて代表司法書士の及川孝明が行いますので、進捗状況もすぐわかり安心です。



日本全国対応可能です(北海道、九州での申立実績もあります)。

土日祝日も対応しております。

電話相談・メール相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。



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